被保険者資格の適用に関する法令・通知等

1国民健康保険法(抜粋)

(組織)
第十三条 国民健康保険組合(以下「組合」という。)は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織する。

(文書の提出等)
第百十三条 市町村及び組合は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者の属する世帯の世帯主若しくは組合員又はこれらであった者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。

2東京都弁護士国民健康保険組合 規約(抜粋)

(組合員の範囲)
第 五 条 組合員は、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、神奈川県弁護士会、千葉県弁護士会及び埼玉弁護士会に所属する弁護士及び外国法事務弁護士並びにその法律事務所に勤務し業務に従事する者で、第三条の地区内に住所を有するものとする。
2 前項の規定にかかわらず、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号。以下「高齢者医療確保法」という。)第五十条に規定する被保険者は組合員としない。
3 組合員が弁護士又は外国法事務弁護士であること及び法律事務所に勤務し業務に従事する者であることの判定基準は別に定める。

(被保険者の範囲)
第 六 条 組合は組合員及び組合員の世帯に属する者をもって被保険者とする。ただし法第六条各号(ただし、第十号は他の国民健康保険組合の被保険者と読み替えるものとする)に該当するものを除く。
(加入の申込)
第 七 条 組合に加入しようとする者は、氏名、住所、性別、生年月日、行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第5項に規定する個人番号(以下「個人番号」という。)、職業、法律事務所の所在地、事務所形態、所属形態及び法第六条各号に関する事項(健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条第1項第八号又は、同条第2項ただし書の規定による承認に関する事項を含む。以下同じ)並びに世帯に属する者の氏名、性別、生年月日、個人番号、職業、使用される事業所名及び法第六条各号に関する事項を記載した書面をもって、その旨を組合に申込まなければならない。なお、世帯に属する者の職業が弁護士、外国法事務弁護士又は法律事務所に勤務し業務に従事する者である場合は、その法律事務所の所在地、事務所形態、所属形態を記載した書面を併せて組合に申し込まなければならない。

(変更の届出)
第七条の二 第七条第1項に掲げる事項に変更があったときは、組合員は、変更後の事項を記載した書面をもって、その旨を組合に届け出なければならない。
(除  名)
第 九 条 次の各号の一に該当する組合員は理事会の議決によって除名することができる。
 一 正当な理由がないのに保険料の納付期日後六ケ月を経過したにもかかわらず保険料を納付しないとき。
 二 法の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をし又は加入の申込に当って虚偽の事項を記載した申込書を提出したとき。
2 前項の除名は、除名した組合員にその旨を記載した書面をもって通知する。

3規約第五条3項に基づく判定基準を定める規程

組合規約第五条に定める弁護士又は外国法事務弁護士及び法律事務所に勤務し業務に従事する者であることの判定基準は次のとおりとする。

  • 一.「弁護士及び外国法事務弁護士」については、弁護士及び外国法事務弁護士として日本弁護士連合会への登録の有無とともに、別表の書類の提出により判定する。
  • 二.「法律事務所に勤務し業務に従事する者」については、本組合規約第五条に定める弁護士会に所属する弁護士又は外国法事務弁護士からの、その法律事務所に勤務し業務に従事する旨の別表の書類の提出により判定する。
  • 三.資格調査時には、別表の書類の提出により判定する。弁護士及び外国法事務弁護士は日本弁護士連合会への登録の有無もあわせて確認し、判定する。

4「国民健康保険組合の行う国民健康保険の被保険者に係る政府管掌健康保険の適用除外について(通知)」
(保国発第1215001号・平成17年12月15日)(抜粋)

  •  2  政府管掌健康保険における適用除外の承認に当たっては、適用除外の承認を受けようとする者が、次に該当することにより国民健康保険組合の行う国民健康保険事業の運営において、将来に亘り、必要とされる者であると、国民健康保険組合の理事長が認めた者に限ること。
  • (1) 国民健康保険組合の被保険者である者を使用する事業所が法人となる又は5人以上事業所となる等により、健康保険の適用事業所となる日において、現に国民健康保険組合の被保険者である者
  • (2) 国民健康保険組合の被保険者である者が法人又は5人以上事業所を設立する等により、健康保険の適用事業所となる場合における当該被保険者
  • (3) (1)又は(2)に該当することにより適用除外の承認を受けた者を使用する事業所に新たに使用されることとなった者
  • (4) 国民健康保険組合の被保険者である者が、健康保険の適用事業所に勤務した場合における当該被保険者
  •  3  政府管掌健康保険における被保険者は、法令に則り、事実の発生した日から当然に適用されることとなるが、国保組合被保険者については、適用除外の承認がなされて初めて国保組合被保険者となるものであることから、承認については、原則、遡及しないものであること。
    なお、政府管掌健康保険の適用除外の申請のあった日が、事実の発生した日から、5日以内である場合又は政府管掌健康保険の保険者がやむを得ないと認めた場合に限り、事実の発生した日に遡及して承認して差し支えないこと。

5「国民健康保険組合 被保険者の適用について」(厚生労働省保険局国民健康保険課 2005年12月)(抜粋)

適用の適正化のために国保組合が行うべきこと

  • 国民健康保険法、健康保険法の規定による被保険者の資格取得等について、被保険者及び被保険者を使用する事業主等に対し、制度の周知を図り、必要な届出等が法令に則り、適切に行われるように指導する。
    (厚生年金法、国民年金法の規定による被保険者の資格取得等についても、併せて周知を図る。)
  • 国民健康保険組合に所属する被保険者の勤務する事業所について、実態把握に努める。
    具体的には、
    〇事業主から、定期的に事業所の状況について、報告を求める。
    〇保険医療機関台帳や被保険者台帳等による調査を行う。
    〇事業所台帳等による事業所管理の徹底を図る。
    (法人事業所となった場合、従業員数が常時5人以上となった場合など、早急に社会保険事務所へ届出等が必要となることから、事業主の制度理解と協力により、常に実態を把握し、適切な指導を行う。また、社会保険事務所等との連携を密にし、適用漏れ等による保険者への不利益が生じないよう留意する。)
  • 事業主等が指導に従わないことにより法令に則った適切な届出等が行われないと判断したときは、組合規約に基づき、除名等の必要な措置を講ずる。
    (国民健康保険組合は、国民健康保険法の規定による公法人であり、規約に基づいて、厳正な制度運営を行うことが重要である。)

6「国民健康保険組合の組合員資格の適正な取扱いについて」(保国発0326第1号・厚生労働省保険局国民健康保険課長・平成24年3月26日)(抜粋)

 平成23年10月21日付け23検第531号で会計検査院長から厚生労働大臣に対し、会計検査院法第36条の規定により、〇〇国民健康保険組合の組合員資格に関し別添1の意見表示がなされたことを受け、平成24年3月26日保発0326第2号「国民健康保険組合規約例の一部改正について」により、国民健康保険組合規約例を改正した。
 組合員資格の取扱いに関しては、上記通知のほか、下記のとおり取扱うよう、〇〇国保組合に対し、指導願いたい。
 また、〇〇以外の国民健康保険組合(以下「国保組合」という。)においても、必要に応じ、〇〇国保組合の取扱いに準じて対応するよう、各国保組合に対し、指導願いたい。

  • 事業又は業務に従事する者の判定基準の策定
    〇〇国保組合については、組合規約を改正の上、別紙「同種の事業又は業務に従事する者の判定基準に関する指針」を参考として、各国保組合の実情に応じ、同種の事業又は業務に従事する者の判定基準(以下「判定基準」という)を定めること。
  • 組合員資格の管理
    国保組合へ加入した後の組合員資格については、定期的に確認を行うこと。なお、定期的な確認とは、2,3年に1回以上実施すること。
    また、確認に当たっては、以下の項目について客観的な証拠書類により確認すること。
  • ①組合員の住所
  • ②組合員が判定基準に定める業務に従事していること
  • ③組合員が健康保険の適用を受けるべき者である場合、組合員の健康保険の適用除外承認が適切に行われていること

7「「国民健康保険組合の組合員の保険者資格の確認について」(保国発0326第2号)の取扱いに関するQ&A(その2)」
(事務連絡・厚生労働省保険局国民健康保険課・平成24年12月19日)

 国民健康保険組合の被保険者資格の確認については、平成24年9月21日付け事務連絡により再確認を実施するに当たって確認する「客観的な証拠書類」の取扱い等についてお示ししていますが、更に具体的な調査方法等についての照会等が多数あることを踏まえ、既に被保険者資格の再確認を実施した国民健康保険組合の事例等も含めて、具体的に例示したので、資格確認の参考とし、一層の被保険者資格の適正化を図るよう、貴管内国民健康保険組合への周知及び指導に特段の御配慮をお願いいたします。

Q
「国民健康保険組合の組合員の被保険者資格の確認について」(保国発0326第2号)の取扱いに関するQ&Aの一部改正について(平成24年9月21日事務連絡)のQ4において、再確認を実施するに当たって確認する「客観的な証拠書類」の考え方が示されているが、客観的な証拠書類となる事例について具体的にお示し願いたい。
A

客観的な証拠書類についての考え方は、平成24年9月21日事務連絡によりお示ししたとおりであるが、既に資格確認を実施している国保組合における取扱い事例を含めて以下のとおり例示するので参考とされたい。

1、被保険者の住所の確認
【確認のポイント】
被保険者が現住所として申し出ている所在地が、現に生活の基盤となる所在地であり、かつ組合規約に定める住所地の範囲であることを確認する。
【確認方法(書類)の例示】
・ 住民票により確認
・ 運転免許証の写し
・ 届出された住所に国保組合等の文書が滞りなく送達された事実など

2、組合員が現に従事している業種の確認
【確認のポイント】
組合員が、現在従事している事業が組合規約に定める事業の範囲であることを確認する。
【確認方法(書類)の例示】
・ 官公署が発行する許可証、登録証又は証明書など
・ 官公署の指定業者への登録又は事業を請け負う際に加入義務のある保険への加入など
・ 事業を行うに当たって官公署に提出する届出の控え、商業法人登記簿、確定申告書など
・ 同業者の間で流通している事業者名鑑や業種別電話帳への搭載など
・ 事業内容が特定できる請負契約書、請求書及び領収書など

3、 組合員が健康保険の適用を受けるべき者かどうかの確認
【確認のポイント】
健康保険・厚生年金の適用事業所かどうかを確認する。法人事業所は無条件で健康保険・厚生年金の適用事業所であるため、まず、個人事業所又は一人親方であるかどうかが確認のポイントとなる。
また、個人事業所の場合は、サービス業を除き5人以上を常時使用する事業所は健康保険・厚生年金の適用事業所となるので留意すること。
【確認方法(書類)の例示】
(1)法人事業所、個人事業所及び一人親方の別
・ 上記2に例示した書類などにより、正式な事業所名称又は個人の営業であることを確認
・ ホームページ上の法人検索などを活用するなど
(2)個人事業所の場合は、従業員数が確認できるもの
・ 源泉所得税領収書、労働保険概算・確定保険料申告書、決算書、賃金台帳、従業員名簿等の書類など
・ 事業主との面談による聞き取り調査、現地調査など

4、 組合員が健康保険適用除外承認申請を受けていることの確認
【確認のポイント】
法人事業所及び常時5人以上を使用する事業所の場合は、現に年金事務所から組合員一人ひとりが、健康保険適用除外承認証を受けたうえで厚生年金の適用事業所となっているかを確認する。
【確認方法(書類)の例示】
・ 年金事務所への提出書類の控えなど
・ 年金事務所からの保険料の算出にかかる書類など
・ 年金定期便など年金の加入記録(現に厚生年金に加入していることの確認)
※70歳以上の者は、年金加入記録では判断できないことに留意すること。

 ここに例示した書類等の他に各国保組合の実状に応じて、資格確認に有効と認められるものがある場合は、適宜活用して差し支えない。
 また、状況に応じて複数の確認方法及び国保組合職員による事業所への実地調査を組み合わせて実施することも考えられる。
 なお、一時的な休業や病気療養中などの取扱いについては、各組合の実状に応じて、判定基準を設けていることが望ましい。

8(参考)「国民健康保険組合の組合員の被保険者資格の確認について」(保国発0326第2号)のQ&A

Q1
今回、全国民健康保険組合に対して、組合員の被保険者資格の自主点検を求めたのはなぜか。
A1

 会計検査院の実地検査により、多くの無資格加入者が指摘され、平成23年10月に会計検査院長から厚生労働大臣に対して会計検査院法第34条に基き、組合員の被保険者資格の是正改善の処置要求があった。
 会計検査院は、国保組合の被保険者資格について、「国民健康保険組合の行う国民健康保険の被保険者に係る政府管掌健康保険の適用除外について(通知)」(平成17年12月15日保国発第1215001号)以降も依然として国保組合の加入資格を持たない者が国保組合に加入しており、その原因は、国保組合が、組合員に対して定期的な資格確認をしておらず、厚生労働省(以下「厚労省」という。)の指導も十分ではなかったためとしている。
 このため、是正改善の処置として、組合員資格の適正化を確実に図るため、全ての国保組合に対して組合員資格の調査・確認を行わせること及びその結果を厚労省に報告させることを求めているものである。

Q2
今回の自主点検における点検の主眼はどこにあるのか。
A2

 日本の医療保険制度は、法律に基づき、加入すべき制度が決められており、被用者保険の適用を受けない者は、国民健康保険(以下「国保」という。)の被保険者となり、一義的には市町村国保に加入することになる。一方で、国保組合が定める規約に該当する者は、国保組合に加入するか市町村国保に加入するかを任意に選択することができる。

 また、被用者保険の適用を受けるべき者であっても、被用者保険の保険者から適用除外の承認を受けた者は、国保組合に加入することができる。
 国民健康保険法(以下「国保法」という。)では、市町村国保は、被用者保険等の他の医療保険制度と国保組合に該当しない者の全てが加入することとされ、セーフティーネットの機能を持っている。

 他方、国保組合は、健康保険組合と同じように、定められた規約に該当する者だけが加入できる制度となっている。そのため、被保険者資格を管理することは、保険者としての重要な責務であるが、残念ながら加入資格を有しない者の加入が複数の組合で発見されていることを踏まえ、全国保組合に対して被保険者の加入資格の再点検を行うこととしたものである。

 具体的には、国保法第13条第1項に「国保組合は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織する」とされていることから、各国保組合の規約に定められた、
 ①同種の事業又は業務に従事する者であることの確認
 ②地区内に住所を有する者であることの確認が必要となる。

 また、同条第3項に「第6条各号のいずれかに該当する者及び他の組合が行う国民健康保険の被保険者である者は組合員となることはできない」とされていることから、
 ③健康保険法等の他の医療保険の法律の適用を受けない者であることの確認
 ④他の医療保険の法律の適用を受ける者である場合は、当該医療保険制度から適用除外の承認を受けている者であることの確認が必要となる。
 従って、今回の自主点検を通して、国保組合自身が法令を遵守し、上記の確認が必要な4項目を定期的に確認する体制を確立することが今回の調査の主眼と考えている。

Q3
今回の自主点検において、以前から無資格だった者が判明した場合は、どういう処置をとればよいのか。
A3

 無資格加入者が判明した場合は、資格の是正が必要となる。以前から無資格だった場合については、遡及して資格を是正することとなる。
 具体的には、「〇〇国民健康保険組合の無資格加入者の資格喪失等の取扱いについて」(平成22年9月13日保国発0913第1号)に準じて取り扱うこととなる。
 ただし、同通知の療養費の代理受領及び保険料(税)の代理納付の取扱いは、無資格加入者が多数発生していたこと等に鑑み例外的に取扱いを示したものであるので、今回新たに判明した無資格加入者の資格是正に伴う医療費の精算等の手続きには、各保険者等の同意がない場合は、適用できないので留意されたい。

Q4
再確認を実施するに当たって確認する「客観的な証拠書類」とは何か。
A4

 客観的な証拠書類とは、公的な機関の発行する証明書類等を基本とするが、確認すべき事項を合理的に判断できるものであれば足りると考えている。
 過去に指摘された無資格加入者の事例は、無資格加入者の申出のみ又は無資格加入者の申出により作成された母体団体の証明等に確認方法を依存し、国保組合自らが、確認してこなかったことに起因するものであり、今回の自主点検を契機に、各国保組合がその状況に合わせて客観的に確認することができる方法を確立することが重要と考えている。

 例えば、住所の確認であれば、必ずしも住民票を提出させる必要はなく、届出された住所に送付した郵便物が滞りなく組合員に送達された事実をもって確認したとしても差し支えない。
 従事する事業、健康保険の適用・非適用及び適用除外承認については、税務署への各種申告書類や年金事務所への提出書類の他、場合によっては、領収書や契約書、宛名が事業所宛てとなっている公共料金等の請求書、現金出納帳や預金通帳等の事業に使用している帳簿類等でも客観的な確認書類となると考える。
 また、やむを得ない事情により客観的な証拠書類の提出が困難な場合には、国保組合職員による実地確認の復命により確認することも可能と考える。

 なお、単に、本人、事業主及び母体団体が責任をもって提出したものであるとの理由だけでは、基本的には客観的な証明とは言えないものと考える。
 このように、確認方法については、公的な機関の発行する証明書類等を基本としながらも、各国保組合が個々の実状に合わせて、会計検査院等の検査や第三者への説明に対しても合理的な説明ができるような確認書類(方法)を決定していただくべきものと考えている。

Q5
組合員が健康保険の適用を受けるべきかどうかの確認については、国保組合には困難な場合もあるが、どのように対処すれば良いか。
A5

 健康保険の適用については、健康保険法第3条に規定されているとおり、法人事業所の場合は、人数に関係なく(事業主も含む)強制適用となる。個人事業所の場合は、同条第3項に規定された業種(適用業種)の場合は、5人以上の従業員を使用する事業所の場合に適用を受けることとなる(ただし、事業主を除く)。
 従って、サービス業などの非適用業種の場合は、事業所が法人か個人かを確認すれば足りる。
 なお、非常勤勤務者等で、適用されるかの判断が困難な者については、事業主に健康保険(または厚生年金)の適用となる者であるか否かを確認する必要がある。

Q6
調査を複数回に分けて実施する場合は、別紙2による報告はどの様に行えばよいか。
A6

 調査を分けて実施する場合は、全ての再確認終了後にまとめて報告願いたい。なお、調査実施年月は、初回の調査実施年月を記入すること。
 なお、調査に当たり、各組合員への制度の周知や啓発を実施することは、今後、無資格加入者の防止に繋がるものと考えており、併せてご検討願いたい。

Q7
大震災の被災者等調査が困難な者に対する取扱はどうか、また非協力者等調査未了者が出た場合の取扱いはどうか。
A7

 今回、「別紙2(実施結果報告書)」を修正して添付したので「調査未了者数」と「調査未了の理由」欄に記載して報告されたい。なお、大震災の被災者等でやむを得ない事情により調査が困難な者については、次の資格確認時に実施することで差し支えないが、非協力者の取扱いについては、資格の確認ができない者に対して継続して加入を認めるのは適当でないため、組合規約で規定されている過怠金を課すことも可能と思われる。また、組合の独自調査により組合員資格がない者であることが判明すれば、資格喪失処理を行うことも可能と思われるので、個々の状況に合わせて、各国保組合において適宜判断されたい。

Q8
資格の再確認調査に係る費用について、補助対象となるか。
A8

 資格の再調査は、本来保険者が実施すべきものであり、補助対象とすることは考えていない。

Q9
会計検査院等の指摘を受けた被保険者については、対象被保険者から除外する取扱いでよいか。
A9

 会計検査院等から指摘を受けるなどして調査を実施し、無資格加入者として資格の是正、補助金の精算が終了しているものについては、対象外としてよい。
 なお、確認の結果、必要な確認項目を満たしており、無資格加入者でないと確認されている者については、調査済として取り扱って差し支えない。
 調査結果の報告については、組合全体の調査終了後に一緒に報告願いたい。

Q10
今回の確認については、日本年金機構等の公的機関の協力を求めることは可能か。
A10

 組合員資格の確認は、もともと保険者たる国保組合の通常の責務であり、今回の資格確認作業を行うにあたり、特別な措置を講じることは考えていない。
 したがって、日本年金機構等の公的機関から特別な情報提供を受けられることはなく、厚労省としても、そのような依頼をすることは予定していない。
 なお、今回の資格確認の結果、無資格加入が判明した場合は、無資格加入者は国保組合から脱退するとともに、本来加入すべき市町村国保や協会けんぽへの加入手続きが必要となる。そういった一連の是正作業の中で、市町村国保の担当部署や年金事務所とどのような連携をとるかは、それぞれの保険者の対応に委ねられるので、担当部署等にご相談願いたい。

Q11
健康保険の適用除外承認(以下「適用除外承認」という。)が適切に行われているとは、どのような状態をいうのか。
A11

 健康保険の強制適用被保険者となる者が既に国保組合の被保険者である場合は、健康保険の保険者から適用除外承認を受けることにより、例外的に国保組合に継続加入することができるとされている。
 この適用除外承認の具体的な取扱いについては、「国民健康保険組合の行う国民健康保険の被保険者に係る政府管掌健康保険の適用除外について(通知)」(平成17年12月15日保国発第1215001号)により取り扱われている。

 この通知では、適用除外承認は、特別な事情があり保険者が遡及を認めた場合を除き、原則遡及申請しないこととしているが、これまでこの取り扱いが十分に周知されていなかったことに鑑み、通知時点で適用除外承認が必要であるにもかかわらず、適用除外承認を受けていない国保組合被保険者については、平成18年3月31日までに適用除外承認の申請手続きを行えば国保組合へ継続して加入することができる特例措置を実施している。

 従って、今後の資格調査においては、法人又は5人以上の強制適用事業所であって適用除外承認を受けていない者は、仮に過去において、適用除外承認の要件を満たす時期があったとしても適用除外を承認することができないため、国民健康保険の被保険者となることはできないことから、原則健康保険に加入しなければならない状態となった時点に遡及して資格を是正する必要がある。
 なお、現在適用除外承認を受けているかどうかの判断については、適用除外承認を受けている者は、厚生年金に加入すべき者であることから、組合員等に厚生年金に加入しているか否かを確認することによっても可能であると考える。

Q12
補助金の返還手続きはどのように行えばよいか。
A12

 資格是正の結果、補助金の返還が生じた場合は、毎年10月又は11月に当課組合係から補助金の精算についての調査を行っているので、その際に申し出ていただきたい。
 なお、返還に係る個別具体的な事項については、都道府県を通じて当課組合係に照会願いたい。

9「「国民健康保険組合の行う国民健康保険の被保険者に係る政府管掌健康保険の適用除外について」の一部改正について」
(保国発0331第3号・厚生労働省保険局国民健康保険課長(三課長通知)・平成28年3月31日)

国民健康保険組合の行う国民健康保険における健康保険法(大正11年法律第70号)第3条第1項第8号の規定に基づく適用除外の承認を受けた被保険者の取扱いについては、「国民健康保険組合の行う国民健康保険の被保険者に係る政府管掌健康保険の適用除外について」(平成17年12月15日付け保国発第1215001号・庁保険発第1215003号)(以下「課長通知」という。)にお示ししてきたところであるが、国民健康保険組合の被保険者の利便性等の観点から、事務手続の見直しについて要望が寄せられていること、また、社会保険審査官及び社会保険審査会法(昭和28年法律第206号)が改正され、平成28年4月1日以降、審査請求期間が60日から3月に延長されること等に伴い、課長通知の一部を下記のとおり改正することとしたので、遺漏のないよう取り扱われたい。
なお、本通知は平成28年4月1日から適用することとする。

課長通知の3中「5日以内である場合」を「14日以内である場合」とし、課長通知の別紙様式のうち健康保険被保険者適用除外承認証を本通知の別添の様に改める。

10「健康保険の適用除外承認申請を行う際における留意事項について」(厚生労働省保険局国民健康保険課・事務連絡・平成28年3月31日)

  • 1、厚生年金保険被保険者資格取得届については、厚生年金保険法施行規則(昭和29年厚生労働省令第37号)第15条第1項において、事実があった日から5日以内に届出することとされていることから、健康保険被保険者適用除外承認申請書と別に年金事務所へ届出する場合は、厚生年金保険被保険者資格取得届の左肩に「健康保険適用除外承認申請書は別途提出予定」と必ず記載するよう、組合員に周知徹底すること。
  • 2、「保険者がやむを得ないと認めた場合」の取扱いについて、「健康保険の適用除外申請における承認年月日の取扱いについて」(平成23年3月8日付け厚生労働省保険局保険課・国民健康保険課・年金局事業管理課事事務連絡)において連絡した内容を、再度、組合員に周知徹底すること。

11(参考)「健康保険の適用除外承認申請における承認年月日の取扱いについて」(三課長通知(厚生労働省保険局国民健康保険課長等)・平成23年3月8日)(抜粋)

  • 1、年金事務所(平成22年1月前は「社会保険事務所」以下同じ。)が「やむを得ないと認めた場合」については、次のとおりであり、個々の事情を十分に踏まえた取扱いを行うものとする。
  •  (1)  天災地変、交通・通信関係の事故やスト等により適用除外の申請が困難と認められる場合
  •  (2)  事業主の入院や家族の看護など、適用除外の申請ができない特段の事情があると認められる場合
  •  (3)  法人登記の手続きに日数を要する場合
  •  (4)  国保組合理事長の証明を受けるための事務処理に日数を要する場合
  •  (5)  事業所が離島など交通が不便な地域にあるため、年金事務所に容易に行くことができない場合
  •  (6)  書類の郵送(搬送)に日数を要する場合
  •  (7)  年金事務所が閉所している場合
  •  (8)  その他、事業主の責によらない事由により適用除外の申請ができない事情があると認められる場合
    ※なお、上記の事情に該当するとして申請する場合には、5日以内に届出ができなかったやむを得ない理由を記載した理由書を添付するものとする。
  • 2、健康保険の適用除外承認の申請を行おうとする者にあっては、「事実の発生から5日以内」に申請を行うことが困難と思われる場合には、可能な限り、電話等により事前に年金事務所に相談を行うことが望ましい。
  • 3、国保組合は、健康保険の適用除外の申請を行うにあたって、事業主等から「申請者は当該国保組合の事業運営上必要な者である」ことの国保組合理事長の証明を求められた場合には、迅速に事務処理を行うよう努めなければならない。
  • 4、年金事務所が17年課長通知の申請期限について判断した際、上記1に定める基準に照らせば、健康保険の適用除外承認の申請が認められたと考えられる者等の取扱いについては、次のとおりとする。
  •  (1)  課長通知が発出された平成22年9月以降に、健康保険の適用除外承認申請書を提出したが、申請期限である「5日以内」を既に経過したとして、年金事務所が承認をしなかった者のうち、上記1を適用することにより、健康保険の適用除外の承認を受けることができると考えられる者については、再度、年金事務所に申請を行うことができるものとする。なお、この場合、適用除外承認申請書に、やむを得ない理由を記載した理由書を添付するものとする。
  •  (2)  年金事務所においては、事業主等より、再度、申請がなされた場合には、内容を確認した上で、事実の発生した日に遡及して承認するものとする。
  • 5、なお、今後、「事業主の責によらない事由により健康保険の適用除外承認申請ができない事情があると認められる場合の取扱い」については、申請期限に関する上記の基準に沿って適切に対応を行うこととし、手続きを怠り、適用除外承認を受けずに国保組合に加入していた場合には、仮に、過去の時点において適用除外承認の基準に該当していたとしても、遡及して承認を行うことはできないものであることに留意する必要がある。